誠信堂徒然日記

まちづくり、地域のこと、旅行記、教育や社会問題等徒然と。

フィールドワーク月間

 今日はゼミのフィールドワークで三和町大原神社で催された「お田植祭」にゼミ生6人とともに参加。朝早くから、男子学生は苗の準備、女子学生は早乙女の衣装に着替えなど。

 10時半からの「お田植祭」では、うぶやの傍にある御供田に田植えをしていくのだが、早乙女に扮した女子留学生は、「田んぼに入ったの初めて」という学生も多く、慣れない手つきで田植えをしていた。

 続いて、一般参加者の田植。みんな楽しく田植を楽しんだ。

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 田植終了後、大原神社絵馬殿で昼食、そして午後はサツマイモの苗植え。苗植えはあっという間に終わったが、沢ガニや傍にある有害鳥獣を捕える檻に興味津々。留学生に聞くところによると、中国では野生鳥獣の捕獲は制限されているそうである。日本では逆に増えすぎて深刻な問題になっていると説明する。

 最後は京都府内唯一の鐘乳洞である質志鐘乳洞へ。こちらも堪能してくれたようである。

 今後、「地域の景観を守り、育てるためには」という課題に対し、大学との連携で何ができるかを地域と学生とともに考えていくというフェーズに入っていく。夏休みあたりで合宿を行い、ある程度「腰を据えて」地域を見て、そこから何かを感じ取ってもらうことが必要になってくるだろう。

 ゼミのフィールドワークから戻った後、京丹後市の「つねよし百貨店」で開催された映画『よみがえりのレシピ』上映会へ行く。

 山形県鶴岡市において、古くから地域で作られ、食べられてきた「在来作物」と、それらが生み出した地域の食文化と作り手の状況や思い、またそれを支える研究者(江頭宏昌山形大学准教授)とシェフ(奥田政行「アル・ケッチャーノ」オーナーシェフ)の取材を通じて、食や農に関する問題ばかりでなく、大量生産・大量消費・大量廃棄社会がもたらした問題、地域固有の文化の継承についての問題、そして次世代へ(食)文化をいかに受け継いでいくかという問題を「淡々と」伝えてくれる。

 映画上映後は監督の渡辺智史氏のトークセッション。タイトルにある「レシピ」とは、単に在来作物の問題ばかりでなく、「社会で起こっている問題への処方箋」という意味も込められているというお話にうなずく。トークショー終了後、監督と名刺交換し、「大学での上映会もできますよ」という御提案をいただき、アイデアがふつふつ。

 思えば現在、日本のいたるところで、在来作物に限らず、伝統工芸、伝統芸能等を含め、地域の固有性、多様性が失われてきているようにも思う。この問題に対し、自分は何ができるのだろうか。いろいろ考えさせられた。

 なお現在、次作『在来作物での味覚のレッスン』の上映を目指しての寄付を募集中とのこと。

 向こう1ヶ月、出講先のフィールドワークが3回、勤務校のフィールドワークや論文執筆に向けての調査が入るかもしれないので、まさに「フィールドワーク月間」である。